はじめに
整体とは字の如く、体を整えることです。
全身の骨格を正しい位置に整える。
歪みを修正する。
リハビリにおける機能訓練にとても応用できる考え方です。ヨガでも歪みの左右差を改善するようアプローチします。
【著書『整体学』、著者宮川眞人】がとても参考になったので紹介します。
リハビリテーションと整体学の応用
整体学とは
身体の歪みは胸椎5番から始まり、歪みは結果的に肩甲骨や股関節に繋がると考えています。
その結果様々な疾病を患ってしまうというものです。
西洋医学におけるリハビリテーション
作業療法や理学療法は、疾病により障害が生じてその部位に対するリハビリテーションが求められます。
無事に機能が改善すればリハビリテーションを終えることもあります。
しかし後遺症として機能障害が残り、日常生活に支障をきたすこともあります。
後遺症との共存生活をより安定させることがリハビリテーションに求められるようになります。
後遺症の程度と受け入れ方により、安定して自己管理できれば、リハビリテーションを終えることもあるでしょう。
後遺症とさらなる二次的障害
後遺症が安定し日常生活に戻っても、二次的な障害が生じることがあります。
例えば、片麻痺の場合に退院直後は転ばずに歩けていたのに、数年後は麻痺側の力が低下して歩けなくなった。
腰の手術をして一時腰痛は改善したが、また腰が痛くなった。あるいは膝が痛くなった等。
これらは後遺症による二次的な障害です。
障害部位が更に機能低下したり、そこをかばうことで他の部位に機能低下が生じ、二次的な障害を併発したりしてしまうのです。
二次的障害の要因
もちろん後遺症が一つの要因です。部分的な機能障害を補うために身体に偏りが生じてしまう。
そしてもう一つが身体のクセです。
身体の使い方にクセが強いため、部分的に負担が増して関節が歪み筋肉や関節が硬くなります。
主に首や腰、肩や膝に負担がかかり、脊柱管狭窄症やヘルニア、変形性関節症の要因にもなります。
つまり、身体のクセは悪化すると身体を歪ませ機能障害にまで陥るのです。
二次的障害の改善方法
負担を軽減させるために整骨院やカイロに通う方も大勢いるのではないでしょうか。
確かに部分的に筋肉がほぐれると、関節へのストレスが軽減します。しかしまた日常生活を続けると同じように負担が増し、同じサイクルを繰り返してしまいます。
そのため、一時的に改善できても定期的な治療者のメンテナンスが必要になります。
根本的な改善方法はクセを把握して、自分で定期的にメンテナンスすることです。
自力で各部位に負担がかからないようクセを修正して生活することはとても難しいです。
姿勢改善と身体の使い方のコントロール力が求められます。
そこで、歪みを修正・軽減できる整体学的ストレッチです!
とにかく歪みの負担が肩と股関節に現れるので、そこをしっかりとメンテナンスします。
今回は整体学で用いている肩甲骨と股関節のストレッチ方法を簡単にお伝えします。
①肩甲骨のストレッチ
【後面で上下から手組み】
ポイント
・胸を開くようにする。
・肘を背中の中心に寄せる。
【解説】
肩甲骨と肩関節の2つのストレッチが必要。特に肩の腱板を柔軟に保たないと肘が背中に寄りにくく、両手を合わせることが難しくなります。胸を開くようにすることで胸筋をストレッチし、肩甲骨の可動性が拡大しやすくなります。無理せず、少しずつストレッチを進めましょう。痛みが強い方は肩甲骨と肩を別でストレッチするようにしましょう。指と指を組め、手を背中から離すことができればとても良い状態です。左右行い、苦手な方を多めにストレッチするよう意識しましょう。
②股関節のストレッチ
【股関節後ろ伸ばし】
ポイント
・股関節前面を伸ばす
・腰を反らせない
・伸ばしている膝を遠くに引張る
【解説】
人体最大のインナーマッスル腸腰筋をほぐします。身体を支える脚に歪みがあると姿勢が乱れてしまいます。乱れた姿勢を無理に支えるよう脚に過剰な力みが生じ、さらに腸腰筋は硬くなる悪循環になることがあります。腸腰筋が整うことで姿勢アライメントが修正され、歪みの軽減を図ることができるのです。
おわりに
二次的障害は活動性低下や寝たきりの要因にもなり、早期に予防することが大切です。
全身的に身体の歪みの傾向やクセを評価し、必要なストレッチを導入することが大切です。
『整体学』にはここでは説明しきれないストレッチや理論が説明されており、是非気になる方は一読してみて下さい。