《急性期リハの特徴》
病気やケガ、手術などしてから間もない期間。急性期リハの特徴は患部が新鮮で身体が治そうと変化していることです。
皮膚、骨、脳や臓器も。
人体の生命力は強く、良い方向に自然に治す力が働き続けているのです。
《急性期リハに求められること》
- 治す力の変化を促通すること
- 持っている機能を保つこと
シンプルにこの2つですが、疾患や個人によって状態が違います。しっかり見定めながら、変化に応じたリハビリが必要です。
《疾患の治癒促進と機能維持》
皮膚
安静に、清潔・軟膏で治癒促通。損傷部以外の可動域や筋力を維持。
骨
安静に、骨や周囲の組織血流量アップで治癒促通。
隣接関節の可動域と筋力維持。損傷部もDr指示で早急に機能改善を図る。
脳
外力はNG。脳神経の賦活で治癒促通。
麻痺側の関節可動域、筋促通。
身体機能
加齢に伴い筋力低下しやすい。廃用症候群の防止に努める。
《一番大切なポイントは悪いクセを正すこと》
どの疾患でも防御反応が出ます。患部を守ろうと無意識に過剰な緊張が入り、身体の本来なかった悪いクセが出るのです。
この悪いクセを早急に意識させて正すことがとても大切です。
機能訓練の入り口です。
クセが抜けないと先に進みにくいのです。
クセが残ったまま毎日リハビリしていても、ただ運動をさせられているだけ。
むしろ違うところの機能低下が生じ、状態が悪化することすらあります。
正しく使えない身体は退院後運動の機会が減少し、身体機能を保ちにくいです。
悪いクセがなければ、退院しても自然と生活の中で少しずつ身体を使えるため身体機能を保てます。
運動指導は奥深いです。
『歩いて下さい、立って下さい、階段往復して下さい』等のただの運動指導なら簡単です。
もちろんそれで身体機能が上がる方もいますが、それで満足してはいけません。
セラピストにはどこの機能をどう高めて身体を正せば、より使いやすい身体になるかを求められているのです。