はじめに
やっと開業1年以上経過しました。
会社設立と運営は、とても大変なことでした。大きな変化、そう感じて当たり前ですね。大変なだけの対価があります。
1年を通しての経験をお知らせします。独立起業を考えている方の参考になれば幸いです。
独立の対価
なんといっても自由!人生の目的は幸福の拡大です。僕にとって自由の獲得は、幸福のための必須の行動なのです。仕事内容も仕事量も、仕事で関わる人間関係も自分で何もかも考えて行動できます。 以前は残業なんて絶対イヤでしたが、自分の会社のためならそんなことを微塵とも感じずに働き続けることができます。やりがいMAXです!
ストレスフリー!!
…と言いたいところですが、選択の難しさや仕事量の多さは確実にストレスになります。
でも何とかなります。
志を持ち、動き続けられる体力がある方は迷わず起業の道をお勧めします!
大変で当たり前。不安も当たり前。自由のためならそのくらい当たり前ですよね。
認識不足だったこと
労務管理の業務量です。これがとても繊細だし時間も取られます。かなり自由の妨げになるので要注意です。
本業に集中したいところですが、雇用している場合まず従業員にお給料を支払う必要があるし、社会保険や雇用保険の手続き、会社によっては就業規則や賃金規定、労働基準法の理解が求められます。そして日々の売り上げや収入の管理、経理業務…
だいたいで良いじゃん。
と思っておりました。初めて給料をもらった時には、よくわからない保険料等を総支給から引かれており、端数を繰り上げたり繰り下げたりして見やすくしたら良いのにと勝手に思ったことがあります。ただただ面倒なだけなのではと。
そうではないのです。
支給額と家庭状況により収める税額が決まっているのです。
そう、日本という国が国の安定のために勝手に決めたのです。日本のルールなのです。このルールや日本についてとやかく考えたところで無意味です。これを変える力は持っていないし、次元が違います。時間の無駄です。
とりあえず、僕は無駄の多い国会が理解困難で日本に好感はそこまで持てず、外見は黒人が好きです。食は日本が良いです。
話がいきなり逸れましたが、この税額は調べたり、役所に行けば教えてくれて理解することができます。
経理業務も、だいたいで良いじゃん。
個人事業主時代の申告は、だいたいの毎月の記録をして、しっかりと2月にまとめて作業していました。多少時間は取られますが、市販のソフト(弥生会計)を利用して一応青色申告できていました。
しかし、決算というイベントを知り、法人はそこまで甘くはないと認識しました。
個人でする確定申告のように、法人では決算があります。
これは自力では困難感がありました。どうすれば良いのか、調べることすらしませんでした。する余裕もありませんでした。
実際税理士さんにお願いした決算書を渡されましたが、簡単な雑誌くらいの量でした。
調べたところで恐らく自力では困難でしょうし、相当の労力が必要と思われます。
助成金の出来事
助成金の存在は何となく知っており、最初にキャリアアップ助成金を申請するために近場の労務士に依頼しまた。
雇用保険の事業者登録と助成金申請の手続きをしてくれましたが、金銭的にも顧問契約の必要はないと考え日々の労務管理のアドバイスや相談を受けることはできませんでした。
しかし経営していくと何かとイベントが起こります。
社員が欠勤した場合の給与計算や産休や育休取得、求人を出すためにハローワークの登録申請等新たな労務業務が出てくるのです。
本業に専念したいのに!
と思いますが、労務管理も大切な業務なのです。社員の安心や安定が会社の安定に繋がります。結果収益が安定してくるのです。
良い労務士は獲得できる助成金の提案を的確に行い、手続きをしてくれます。
最初にお世話になった近隣労務士は僕の言ったことだけのことしかしませんでした。しまいには体力がないと発言し、増えた社員の助成金申請は行えないと…。事務作業にも確かに体力は必要ですが、まさかこんなタイミングで体力というワードを使われて呆気に取られました。しっかり身体を動かせ‼
とりあえずこれはまずいと認識し、顧問税理士さんの紹介で違う労務士さんと相談しました。そして他にも獲得できる助成金の存在や、必要な就業規則の整備、労務管理、給与計算もお願いすることになりました。話していて安心感と好感を持てたのです。
個人で運営している労務士さんはもしかしたら手一杯なのかもしれません。最初に良い労務士さんに会えていればもう少し時間とお金を効率良く使えていたと思います。無料相談してくれるプロ業者がいくつもあると思いますが、アドバイスと情報量が多く、起業分野に精通していて相性が良いと感じる労務士がベストだと思われます。何社かは頑張って探す手間があって良いかもしれません。
料金は多少の差がありますが、だいたい同じくらいな印象です。
良き労務士や税理士に巡り会えると良いですね。
助成金にはいくつも種類があり、起業初期にしか申請できない種類のものもあります。僕の場合研修を行うことで助成金を取得できるものがあると後で判明し、社員一人約10万円支給される助成金を申請しそこねました。起業当初の正規雇用人数は4人で約40万円ですが、その他にも助成金は多々あります。これだけでも1年分労務士の顧問料になります。
そして理解不十分な雇用関連、給与計算等の労務についての相談にいつでものってくれます。
自分で調べて不安なまま雇用するより、プロに頼って雇用する方が確実に安心感がありますよね。
顧問料は月額2〜3万円程度はしますが、ノウハウと安心感に価値があります。
ちなみに今は一人3,000円取られ5万円かかっています。頑張れば自分でもできる業務ですが、それでも労務管理をしてくれる社員と思えば必要な経費と判断しています。
労務管理の結果
これら労務管理に時間と労力をどれだけ費やすのか。
会社の収益にはなりませんが、会社を安定させるためには必要な労力です。
経験の結果、ある程度の資金があるのなら、早々に労務や税のプロと顧問契約するべきでした。自分のすべき業務をプロに委託できるのです。自分の時間を買うことができるのです。
これは相当のメリットです。自己資金と相談しましょう。
会社は自分個人で頑張って稼ぐものではありません。確実に法人運営という、チームプレイです。
チームの安定の一つとして、労務士や税理士なども仲間に入れてチームを強くした方が将来的にも安心して成長できます。
会社の規模にもよりますが、複数名雇用するのなら初期投資と思い、プロに頼ることをお勧めします。
大変だったこと
1番大変だったことは資金です。従業員の給与と家賃、光熱費等、当月運営における必要な資金を運行資金と言います。設備に必要な開業資金は、中古も活用しましたが100万円はかかりました。そして盲点だったのが社会保険料です。会社と社員で折半ではありますが、口座からは結局まとめて引かれます。ざっと50万円は超えてきます。パート雇用も十分に検討すべきでした。
個人事業で数年かけて貯蓄した資本金300万円はあっという間になくなりました。規模にもよりますが予想を遥に上回る速度で資金はなくなります。自己資金の倍ほど融資を検討して良いでしょう。
やっと1年経過して黒字の兆しが見えたところです。
資金がないと雇用は困難ですので、資金調達には力を入れて良いと思います。何より安心できます。
僕は残念なことに、起業時に一般的に利用される日本政策金融公庫の借り入れができませんでした。当初の僕は、面談すれば貸してくれるのであろうと勝手に思い込み、事業計画書の仕上げが雑で、面談時のおじさんとの対応も雑にしてしまいました。これまでの経過を一問一答で進められる面談がとても面倒だったのです。おじさんの感じも良くなかったし、時間が惜しい、そんな気持ち満載でした。事業計画書の収益見込みにミスがあり、赤字の計画にもなっていました。その結果借り入れ審査が通らなかったのです。
当たり前ですね。
結局、住宅ローンでお世話になっている地方銀行に融資の相談をし、しっかりと事業計画を立て借り入れを受けることができました。多分金利は日本政策金融公庫の方が安いと思います。
資金調達に手間取らないよう注意しましょう。
おわりに
独立は大きな変化ですが、最高に自由があります。人生に何を求めるのか。絶対にお金だけではありません。決して独立が裕福とは言えませんが、その対価があると思います。少しでも迷う気持ちがあるのなら、少しずつ計画を立てて行動しましょう。人生というゲームを、これからも楽しみながら活動していきます。