病状が進行すると医者から手術を勧められ、するかどうか悩むことがあります。時には命に係わる大切なことです。慎重に考え、納得できる判断をしましょう。
今回はそんなときの検討方法です。
手術を決断するための要素
術後症状の改善や軽減が期待できる
辛い症状の改善が見込めるため手術をします。確実とは言えませんが、その見込みについてしっかり確認しましょう。病状的に必要な際も、言われるがままではなくこのままではどうなっていくかを確認し、手術に対して前向きになることで決意しやすくなります。
術後の行動制限と期間が把握できる
術後はどの程度の安静や行動制限があるか、期間はどのくらいかを把握することで、術後の生活をイメージでき前向きに手術を検討できます。
僕が担当している訪問リハビリの利用者さんで、手術という選択肢もあると提案してから1年以上経って手術を決断した方がいます。
術後この程度の制限ならもっと早くすれば良かったと話しています。
術後の生活がしっかりイメージできず、1人暮らしなため生活できないと思い実行できなかったようです。
手術と言われると過度に捉えがちですが、手術内容によっては行動制限がとても少ないためしっかり確認してイメージしましょう。
ちなみに悩んだ手術は手根管症候群の手術です。手のしびれや筋萎縮が長く続いているとその症状に慣れ、我慢するのが当たり前になっていました。生活にそこまで支障をきたさなかったため手術という選択肢があることの認識も薄かったようです。
早期に手術すれば筋萎縮を防止することができます。症状が出たらすぐに受診して原因を明らかにすることが大切です。
手術方法とリスクを大まかに把握できる
手術にリスクは付き物です。絶対はありません。どういう手術でどのようなリスクがあるかを大まかに把握することで受け入れることができます。
専門医である
病院に様々な科があるように、医者も得意分野が違います。専門の医者が手術することを確認しましょう。整形外科でも部位による違いがあります。
個人的には大病院より、専門の開業医の方が信頼できます。それ専門で治療しているので確かな治療技術があるはずです。
手術を再検討した方が良い場合
医者の説明に納得できず、信用できない
どの業界にも変わっている人がいます。信用できないと思ったのなら面倒でもその直感に従うべきです。
質問に対してしっかり返答されない場合も怪しいです。納得できるまで話し合いましょう。
手術は診療報酬が高いため病院経営に影響します。しなくても良い手術や検査を勧められることがありますので、疑問に感じたら聞いたり相談したりしましょう。
症状がとても軽い場合
少しの症状なら経過観察で良いときもあります。症状の今後について確認しましょう。
症状を我慢するのは良くない
病状の進行に注意
服薬等他の治療を続けていても症状が良くならない、悪化しているのに我慢するのは良くありません。病状が進行している恐れがあります。
我慢せず、最善の治療を受けましょう。我慢は身体に毒です。
手術の不安は誰でもある
誰だって手術に対して最初は不安があります。
知人が下山中転倒し、指の靭帯を断裂するというアクシデントがありました。まさか断裂しているとは思っておらず、後日の受診で『手術』と聞いてとても不安になりました。
ちなみに当時僕が勤めていた手の外科病院です。
すぐに手術を決断し今では何の問題もなく指を動かせています。不安で手術しなければ断裂した靭帯はそのままで、指の曲がり方は不自然になりさらに制動も不十分なためケガもしやすくなっていたでしょう。
おわりに
手術をするかどうかはとても重要な選択です。良くなることもあれば、残念ながら失敗して命を落とすこともあります。そのような現実を僕も直に聞いています。
信頼できる医者を探し、最善の医療を受けること。患者にも選ぶ権利があります。良い出会いがありますように。