【はじめに】
腹筋トレーニングといってもたくさんの運動方法があります。
どんなトレーニングも、正しい方法が効果を高めます。
腹筋における、正しい腹筋の使い方のトレーニングと、効率的に腹筋を鍛えられるクラシカルピラティスを紹介します。
【腹筋の重要性】
腹筋は身体の中心にあり、背骨や脊髄が損傷しないよう守っています。
腹筋がなければ背骨はグラグラに動き、立ったり歩いたりする度につぶれてしまいます。
人形のシンタは正に腹筋がなく、背骨の強度だけで姿勢を保っています。
動かした際にはよくつぶれているので、人間の身体だったら背骨の中の脊髄が損傷し足はマヒして動かなくなっているでしょう。
腹筋はとても人体において重要な役割を担っているのです。
【正しい腹筋とは】
背骨を守るためにも正しく腹筋をつける必要があります。
背骨を安定させること。
身体の運動時に腰骨が動きすぎないよう制動できる筋力と使い方が大切になります。
正しい腹筋は腰痛予防にもなるのです。
★正しい腹筋の条件
- 背骨を安定させるために背骨の長さ分にまず伸びること。
- 背骨の長さを保ったまま収縮できること。
- インナーマッスルが働きながらアウターマッスルで身体を動かすこと。
1.背骨の長さとは、腰が曲がらずに真っ直ぐ伸びている状態を指します。真っ直ぐ仰向けになれれば腹筋は最低限伸びれています。
そこからさらにインナーマッスルの腹横筋という筋肉が収縮できることが必要です。
腹筋が硬めだと収縮がうまくできません。
収縮は腹式呼吸の呼気時に促すことができます。
よく聞くロングブレスダイエットはまさにこの腹横筋を強化しているのです。
呼吸が浅い方はまずしっかり息を吐ききることから始めましょう。
2.この際大切なのが、背骨がなるべく伸びていること!
仰向けになれるのはもちろん、更に腰骨が真っ直ぐになるように背中と床の空間を空けないようにします。
反り腰の方は背骨の伸びが不十分です。
まずは真っ直ぐに腰骨を伸ばせるポジションをとり、床との間に手の平すら入らないよう背中を床に押しつけましょう。
特に胸の後ろが空きやすくなるので注意が必要です。
3.腹筋運動は背骨を曲げる方に身体が動きます。
仰向けの場合は頭を持ち上げる動きです。
さらに胸の辺りを曲げるのも腹筋の働きです。
この胸の辺りを曲げるがとても大切です。
頭だけを頑張って持ち上げる腹筋トレーニングをしても、首の筋肉に多くの力が入り効率的に腹筋に効かないのです。
まずは胸周囲を曲げる腹筋が働き、さらに頭を持ち上げることで腹筋全体に力が伝わります。
この最初の胸周囲を曲げることが、先程説明した背中を床に押し付ける動作になります。
床との間に空間を作らないようにすることが、胸の骨周囲を曲げることになるのです。
インナーマッスルの腹横筋が持続的に働くことになります。
そのコントロールができてからアウターマッスルの腹直筋を働かせて背骨全体を曲げる動作をすることで、正しい腹筋運動になります。
【クラシカルピラティス時の腹筋の様子と使い方】
基本的には正しい腹筋の条件が揃ってからクラシカルピラティスに取り組みます。
床との間に空間を作らない状態。
このとき骨盤や腰骨、胸の骨は横から見てCにカーブしていることから、ピラティスではそれぞれCカーブと呼びます。
Cカーブを保つことで常に腹横筋に力が入ります。
さらにクラシカルピラティスでは腹直筋や腹斜筋に負荷をかけてさまざまなムーブメントをします。
インナーマッスルとアウターマッスルを共に働かせることで、効率的な腹筋トレーニングを実現させているのです。
ムーブメントごとに負荷量も調整でき、運動回数は個人によって調整できるため身体への負担は最小限にできます。
ピラティス時の原則に、コンパッションがあります。
笑顔で続けられる程度の運動。
その程度で良いのです。
無理はせずに、必要な強度と運動量を、自分で調整・把握できるようになっていきます。
【最後に】
正しい腹筋がつけば腰骨の長さが保たれて自然と姿勢が良くなり、身体を動かした際の背骨への負担が軽減します。筋肉は使わなければ衰えます。運動できていれば良いですが、運動不足な方は腹筋の弱化により身体の故障を招くことがあります。
ピラティスは強くて頼もしい腹筋を目指せる最高のトレーニングです。身体の衰えや腰痛予防にも効果的ですので、是非多くの方に知ってもらいたいです。